2021年7月1日
Q.
2022年10月から段階的に一部のパート・アルバイトの方の社会保険の加入が義務化され、社会保険料の負担が変わると聞いていますが、その内容と社内での準備について教えてください。
A.
今回の改正では、働きたい人が働きやすい環境を整えるとともに、短時間労働者について、年金等の保障を厚くする観点から、被用者保険(年金・医療)の適用を50人超規模の企業まで、その適用範囲を拡大するものです。
(500人超(現行) → 100人超(2022年10月) → 50人超(2024年10月))
〇 概 要
週30時間以上 | (適用拡大前) |
⇓ | ①2016年10月~ |
(1)週労働時間20時間以上 (2)月額賃金8.8万円以上(年収換算で106万円以上) (所定労働時間や所定内賃金で判断し、残業時間(代)等を含まない) (3)勤務期間1年以上見込み (4)学生は適用除外 (5)従業員500超等の企業等 (適用拡大前の基準で適用対象となる労働者の数で算定) |
⇓ | ②2017年4月~ |
500人以下の企業等について、 ●民間企業は、労使合意に基づき、適用拡大を可能に ●国・地方公共団体は適用 |
⇓ | ③今回の改正内容 |
(3)勤務期間1年以上見込み →実務上の取扱いの現状も踏まえて撤廃 (フルタイムの被保険者と同様の2カ月超の要件を適用 2022年10月施行 |
(5)従業員500人超の企業等 →50人超規模の企業まで適用範囲を拡大 (2022年10月) 100人超規模の企業まで適用 (2024年10月) 50人超規模の企業まで適用 |
※その他(1)(2)(4)の要件は現状維持
〇 社 内 準 備
Step1 | 社内の加入対象者を把握しましょう ●週の所定労働時間が20時間以上30時間未満 ●月額賃金が8.8万円以上 ●2カ月を超える雇用の見込みがある ●学生ではない |
Step2 | 社内の加入対象者に周知しましょう ●新たに加入者となるパート・アルバイトのみなさんに、法律改正の内容が確実に伝わるよう、社内イントラやメール等を活用し、社内の通知に努めましょう。 |
Step3 | 必要に応じて説明会や個人面談を実施しましょう ●社会保険の新たな加入者であること、社会保険の加入のメリットを伝えるともに、今後の労働時間について話し合いましょう。 |
Step4 | 厚生年金保険の「被保険者取得届」をオンラインで届出ましょう ●日本年金機構から新たに適用拡大の対象となる企業へ通知書類が届きます。 |
該当企業については、施行時期から逆算して、社内準備を余裕をもって計画的に進めていきましょう。