お知らせ

時間単位の年次有給休暇制度について

2024年6月25日

Q.
私の勤める会社では、有給休暇は1日単位でしか取得できません。しかし、友人の会社では1時間単位で有給休暇を取得できると聞きました。どうやったら、私の勤める会社でも1時間単位の年次有給休暇の制度を導入できますか。

A.
Ⅰ.法令等の規定
従業員が様々な事情に応じて柔軟に休暇を取得できることは、従業員の定着率の向上に貢献し、サービスや技術の向上にも繋がります。労働基準法(以下「労基法」)第39条(年次有給休暇)第4項で、時間単位の年次有給休暇(以下「時間単位年休」)制度が定められています。これは、年次有給休暇(以下「年休」)を1日単位や半日単位だけでなく、1時間単位や2時間単位など、1日の所定労働時間を上回らない整数の時間を単位として、年休を取得できる制度です。
時間単位年休制度は、労使ともにメリットがある制度ですが、導入には労使協定の締結が必須となりますので、導入に向けて労使間でしっかり話し合いを行う必要があります。

Ⅱ.時間単位年休制度の導入手続き
時間単位年休の制度の導入には、次の手続きが必要です。
① 就業規則に時間単位年休制度について定める
② 労使協定で、所定の事項について協定する

Ⅲ.一般の年休との異同事項
労基法第39条(年次有給休暇)の中で定められている制度のため、使用者の時季変更権など、基本的には年次有給休暇の規定が適用されます。しかし、時間単位年休には、次のような独自の取り扱いもありますので注意が必要です。
① 時間単位で年次有給休暇を取得できるのは、年に5日を限度とすること
② 1時間に満たない端数がある場合は、時間単位に繰り上げること
例えば、1日の所定労働時間が7時間15分の場合、45分を切り上げて、合計8時間の時間単位年休を取得したときに、1日の年休を取得したものとして取り扱うということです。
③ 時間単位年休として、翌年に繰り越せないこと
未消化の時間単位年休は、年休として翌年に繰り越されます。翌年は翌年で、保有する年休から5日を限度として時間単位年休を利用することができます。

【リーフレット】時間単位の年次有給休暇制度を導入しましょう
https://work-holiday.mhlw.go.jp/kyuuka-sokushin/pdf/2007.pdf

働き方・休み方改善ポータルサイト
https://work-holiday.mhlw.go.jp/holiday/time-unit.html