Q.
離職票を作成する際の手続きの流れと注意点を教えてください。
A.
1. 離職票と離職証明書
離職票とは、離職したことを証明する公的な書類で、正式には「雇用保険被保険者離職票」といいます。退職者が、求職者給付における基本手当(いわゆる失業手当)を受給する場合に必要となります。
また、離職証明書とは、従業員が退職した際に事業主が作成する書類で、雇用保険の資格喪失手続きに必要です。この証明書をもとにハローワークが離職票を作成し、会社を経由して退職者に交付します。
2. 離職理由の重要性
離職票に記入する離職理由は、基本手当の受給資格や給付内容に大きく影響します。例えば、自己都合退職の場合、給付制限期間が設けられることがあります。
一方、会社都合退職の場合は、給付制限がなく、早期に給付を受けられる可能性があります。
3. 手続きの流れ
退職から基本手当の受給資格の決定までは以下のように進みます。
① 離職票交付希望の確認(会社 → 退職者)
② 雇用保険被保険者資格喪失届、離職証明書を提出(会社 → ハローワーク)
③ 離職票を交付(ハローワーク → 会社 → 退職者)
④ 求職の申込(退職者 → ハローワーク)
⑤ 離職理由の判定(ハローワーク)
⑥ 基本手当の受給資格決定
4. 受給資格の決定
基本手当の受給資格は、離職理由や雇用期間などに基づいて以下のいずれかに決定されます。
○ 一般受給資格者
定年、契約期間満了や自己都合退職の場合。
○ 特定受給資格者
会社都合退職や解雇などの場合。
○ 特定理由離職者
契約期間満了後に労働契約の更新を希望したものの更新されなかった場合や、やむを得ない事情で退職した場合。
5. まとめ
離職票に記載する離職理由は、基本手当の受給に大きく影響します。正しく受給するためにも、退職者と会社の担当者は、離職理由を正確に記載するよう心掛けてください。
また、基本手当の受給には一定の要件がありますので、厚生労働省のホームページ等を参考にご確認ください。
(参考)厚生労働省ホームページ「離職されたみなさまへ」
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000951119.pdf