お知らせ

パワハラ防止法について

2020年11月2日

Q.
パワーハラスメントの防止を義務づける法律が施行されたと聞きました。その内容および事業主はどのような対応が必要でしょうか。

A.
職場内イジメ、嫌がらせなどのパワーハラスメントは、労働相談の中でも相談件数が多くなっています。事業主は労働者を安全な環境で働かせる義務「安全配慮義務」を負っています。しかし、これまでパワーハラスメントにはセクシャルハラスメント防止を義務付ける男女雇用機会均等法などの法的根拠はありませんでした。そのような中、パワーハラスメントの防止を事業主に義務化するパワハラ防止法(改正労働施策総合推進法)が令和2年6月に施行されました。

○職場におけるパワハラとは
パワハラ防止法では、パワハラと認定される要素を次の3つの全てを満たす場合と定義しています。
①優越的な関係を背景とした言動
②業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動
③労働者の就業が害される

○代表的な言動
指針では代表的な言動を次の6つに分類しています。
①身体的な攻撃(暴行・傷害)
②精神的な攻撃(脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言)
③人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視)
④過大な要求(業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制・仕事の妨害)
⑤過少な要求(業務上の合理性はなく能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと)
⑥個の侵害(私的なことに過度に立ち入ること)

○中小企業は令和4年4月から義務化(それまでは努力義務)
パワハラ防止措置の義務化にあたり、事業主はパワハラを防ぐための具体的な対策を検討しましょう。
●事業主の方針等の明確化及びその周知・啓発の方法
●パワハラ対策に対応した就業規則の見直し
●相談窓口、対応体制の整備
●被害者の救済、再発防止策 など

パワハラが発生しないような職場環境をつくるために、労使が協力して早めの対応をとりましょう。