Q.
会社で36協定届を作成する際に、総務係の私が従業員代表の署名をしています。いつも社長に頼まれるため署名していますが、これで大丈夫なのでしょうか。
A.
従業員代表(過半数代表者)として認められません。
従業員代表(過半数代表者)とは、事業場の労働者の過半数を代表し、36協定などの労使協定を締結する際に労働者側の代表となる人です。
従業員代表(過半数代表者)の選出については、労働基準法施行規則第6条の2に、具体的な要件や選出方法の記載があります。もしこの手続きに不備があれば、労使協定が無効とされます。
例えば36協定を例にすれば、36協定が無効となり、1分たりとも残業(時間外労働)をさせられない状態になります。たとえ割増賃金を支払っていたとしても、時間外労働をさせれば違法時間外労働(労働基準法第32条違反)となり、刑事罰(6ヶ月以下の拘禁刑、または30万円以下の罰金)が課されることがありますので、適正な方法で従業員代表者を選出してください。
1.従業員代表(過半数代表者)の要件
従業員代表者として選出される人は、以下の要件を満たしていなければなりません。
① 事業場の全従業員の過半数を代表していること
② 労働者の過半数の支持が明確な民主的な方法により選出されていること
③ 管理監督者ではないこと
2.従業員代表の選出方法のNG例
次のような方法で指名された従業員代表は、上記の要件を満たした従業員代表とは認められません。
① 使用者側(会社側)による指名
② 「いつものあの人に」による指名
③ 親睦会等の会長の自動兼務
3.最後に
従業員代表の選出方法が違法とされ、その従業員がサインした36協定が無効とされる例は多発しています。形式的に書類を整えるのではなく、適正に従業員代表を選出してください。
なお、従業員代表は36協定だけでなく、年次有給休暇の計画的付与制度など、様々な労使協定の締結においても必要となります。適正に選出された従業員代表などと労使の議論を活発化させることによって、会社内の風通しが良くなったり生産性が向上したり、会社の業績向上にもつながります。
従業員代表の選出は単なる事務手続きではなく、労使が職場のルールについて話し合うための重要な仕組みであることを改めて認識してみてはいかがでしょうか。









