お知らせ

年5日の年次有給休暇の確実な取得

2019年9月2日

Q.
「今年度から年次有給休暇(以下「年休」という。)を5日間取らせなければならない。」と言われたが、その内容について教えてください。

A.
年休とは、一定期間継続勤続した労働者が心身の疲労を回復し、ゆとりある生活を保障するために取得できる休暇のことで、「有給」で休むことができる労働基準法に定められた制度です。

労働者は、
①雇い入れの日から6ヶ月継続勤務している
②全労働日の8割以上を出勤している
この2点を満たしていれば年休を取得することができます。

使用者は、原則、6ヶ月継続勤務した場合には年10日の有給を与えなければなりません。以後、継続勤務1年ごとに取得できる日数が増加し6年6ヶ月以上で年20日付与されることになります。(週所定労働日数5日以上または週所定労働時間30時間以上の場合)
また、パート労働者等所定労働日数が少ない場合は、所定労働日数と継続勤続年数に応じて比例した日数が付与されることになります。

この年休について、今年度から労働基準法が改正され、使用者は労働者に対し年5日の年休を取得させることが義務づけられました。
その内容は次のとおりです。

①対象者
年休の取得できる日数が10日以上の労働者
(上記3の原則に該当する者および年休の比例取得者の場合、週所定労働日数4日の方は継続勤務年数3年6ヶ月以上、週所定労働日数3日の方は継続勤務年数5年6ヶ月以上の方が対象となります)
②時季指定義務
使用者は、労働者に対し今年度以降年休を取得させる基準日から1年以内に、5日について時季を指定して年休を取得させなければなりません。(翌年度からも同様)
③時季指定の留意点
時季指定に当たっては、労働者の意見を聴き取りし、聴き取りした意見を尊重しなければなりません。
④使用者が労働者に対し基準日を統一するなど年休を前倒しして 付与する場合の取扱い
●その1
入社(4月1日)と同時に10日以上の年休を付与した場合。
法定の基準日は10月1日であるが4月1日を基準日として年休10日を付与した場合は、基準日から1年以内(翌年の3月31日まで)に5日の年休を取得させなければなりません。その後は、毎年4月1日からの1年間に5日取得させることが義務となります。
●その2
基準日を統一するために、当該年度と翌年度の基準日が異なるため、5日の指定義務となる1年間の期間が重複する場合。
年休を取得させる義務の日数は、当該年度の基準日から統一した翌年度の基準日から1年後の期間までの月数で比例した日数となります。
例)10月1日に年休付与日数10日、翌年の4月1日に基準日を統一したため期間が重複する場合は、10月1日から翌々年3月31日までに7.5日(年休が1日単位の場合は8日)を取得させなければなりません。

※ なお、使用者は、違反した場合には罰則が科されることがあります。

下表参照