職員:男性92名 女性88名 (合計180名)
管理職(課長相当職):男性11名 女性1名 (合計12名)
役職(係長相当職): 男性6人 女性3人 (合計9名)
株式会社ジョインセレモニーは、冠婚葬祭互助会の株式会社ジョインをはじめとするジョイングループの一員として、ブライダル事業部「パレスグランデール」「オワゾブルー山形」、フューネラル事業部「平安典礼」「フローリスト平安」を展開している。
◎「やまがた子育て・介護応援いきいき企業」登録・認定について
優秀(ダイヤモンド)企業認定 平成31年3月
◎企業理念
お客様の喜びは私たちの生きがいです。
◎男女ともに働きやすい職場環境を
株式会社ジョインセレモニーの常務取締役 武田靖子さんは、山形県教育委員、公益社団法人日本ブライダル文化振興協会常任理事など数多くの公職を担う他、1男1女を育てた経験をもとに子育て世代の働きやすい職場づくりや、年齢や性別を問わず生き生きと暮らせるライフデザインについて社内外で講義も行っている。
「働きやすい職場環境を作るためにまず必要なのは、社員が心身ともに充実していることです。そのためには、プライベートと仕事のバランスがとれていることが重要だと考えています。表面上ではなく、心からイキイキと働いている社員が増えることで、当社がお客様の目に輝いて映ることにつながるのではないでしょうか。私は常日頃から社員に、仕事を通して自分の成長や社会貢献に対する意識を高めて欲しいと伝えています。先日、社員が希望する本を1冊、会社からプレゼントするという試みを行いました。自己啓発につなげてほしいという目的でしたが、社員たちが選んだ本を見てみると、今どのようなことに興味を抱いているのか、どういうところを磨いていきたいと考えているのかがわかって、社員を知る意味でも良い試みだったと思います。最近ではこうした意識付けが定着したようで、当社では男女問わず、ステップアップを目指す社員が多いように感じます。葬祭ディレクターやブライダルコーディネーター、レストランサービス技能士、ソムリエの資格取得など、業務に関する資格について取得費用の全額補填をしています。これからもこうした努力を積み重ね、主体的、自立的に仕事にあたってほしいですね。これはパート社員にも言えることで、当社では勤続6か月以上で本人が希望する場合、正職員転換制度を利用できます。昨年はグループ全体で11名が正職員になりました。」
◎事業所内保育所で叶えた土日の子育て支援
「今の時代はどの業界も人手不足と言われていますので、今働いている社員を大切にしていかなければ、業務は立ち行かなくなるでしょう。今は、婚活・出会いの創出が必要と言われていますが、結婚して子育てをする未来をイメージした時、子育て環境は重要なポイントですよね。私たちのようなサービス業の場合、土日に子どもを預けられなかったら、築き上げたキャリアを手放し、仕事を辞めざるを得ないというのが現状です。」
ジョイングループでは、土日祝日の子どもの預け先を自社でサポートしようと、9年前に事業所内保育所「すこやか保育園」を設置した。平日は他の幼稚園に預けて、土日はすこやか保育園を利用している社員も多い。社員は社員料金で利用できることから、現在定員の半数が社員の子どもである。
実際に利用した社員からは「土日祝に預けられる幼稚園はほとんどないので、とても助かっている。また預ける時間も考慮してもらえる他、少人数制で成長に合わせた保育が充実しているところがありがたい。」などの声が聞かれる。
「事業所内保育所は、運営費用などの面で不安もありましたが、将来への投資と思って踏み切りました。せっかくの人材が、子育てが原因で離職してしまうのはもったいないですからね。これからは子育てだけではなく、介護の問題も考えなくてはいけません。介護は子育てと違って先が見えないもの。ライフステージが変わっても働き続けられるような職場づくりを、今後も続けていきたいと思います。」(常務取締役 武田靖子さん)
◎社内で初めての男性の育児休業取得
ブライダルアドバイザーとして12年、勤続14年目を迎えた稲田卓也さんは36歳。一昨年の7月に長女、今年2月に長男をもうけたが、長女が誕生した際に社内で初めて男性の育児休業を取得した。
「長女を出産するにあたり妻から『産休が明けたらできるだけ早く仕事復帰したいので、育児休業を取得してもらえないか』と打診されました。正直、子育てに不安もありましたし、社内で前例がなかったので迷いました。でも上司に相談したところ快く背中を押してもらい、秋のブライダルシーズンに入る忙しい時期ではありましたが、5カ月間の育児休業を取得することができました。とはいえ、5カ月間ひたすら子どもと向き合う毎日は想像以上でした。育児ノイローゼになるお母さんたちの気持ちがわかりました。1週間に1度実家の母親に見てもらっている間の息抜きのおかげで、なんとかやり遂げることができたように思います。そうこうしているうちに、おむつ替えも妻よりも上手になり、表情や泣き方で子どもの気持ちがわかるようにもなり、すっかりイクメンになったねと言われます。」
稲田さんは育児休業期間中、育児の体験をまとめたレポートを毎月提出し、その内容は社内報に掲載された。男性の育児レポートは多くの社員に新しい風を吹き込んだようだ。
「稲田さんを見ていると、育児休業を終えて観察力が磨かれたように感じました。子育ては“見ているフリ”では務まりません。子どものことを“きちんと”見ないと大切なサインを見逃してしまいます。5カ月間向き合ったことで、きっと子どもにもお父さんの頼もしさ、愛情が伝わったと思いますよ。培った観察力を仕事にも活かしてほしいと思います。」(常務取締役 武田靖子さん)
「一緒に過ごした育児休業中の時間は、かけがえのない時間だったと思い起しています。今でも娘とは仲がいいですよ。もちろんお嫁には出したくないですね(笑)。トレンドの移り変わりが早いブライダル業界において、半年近くブランクができてしまったので、仕事復帰するときには不安もありましたが、3歳くらいまでの記憶がおぼろげな年齢のときに本気で向き合うことが、親として大切なことなのではないかと実感しました。この気持ちを妻にも感じてほしかったので、長男が生まれた際は妻が育児休業を取りました。育児休業を取ることの大切さをぜひ多くの人にも感じてほしいので、これからも自分の経験をもとに、育児休業の取得を勧めていきたいと思います。」
◎上司の仕事は目配りと心配り
パレスグランデール衣裳課課長を務める門屋千枝子さんは、勤続31年を迎えたベテラン管理職。冠婚葬祭・儀式・祝着等の衣裳レンタル業務全般を統括している。
「31年間働き続けることができているのは、結婚して子供が出来ても、子育てをしながら仲間と一緒に自分も成長できる職場だったからではないかと思います。土日やシーズン中は多忙で、体力的に大変なところもありますが、お客様が幸せになっていただくためのお手伝い、人生の大切な節目に身に着ける衣装をお勧めする仕事は、魔法にかかるくらい楽しい仕事です。お客様に対して心からのおもてなしをするためには、私達自身のメンタルの充実が大切です。私は管理職として、部下の体調や元気度を顔色を見て判断し、プライベートでの心配事も相談しやすいような職場環境づくりに努めています。部下の少しの変化も見逃さず、笑顔で接客できるよう導くことが上司の役割だと思います。」 (パレスグランデール衣裳課課長 門屋千枝子さん)
また、総務財務部で主任を務める川合智子さんも、社員の働きやすい職場づくりに努力している1人だ。川合さんは人事総務の仕事を前職で15年ほど経験したのち、出産を機に退職。約10年の子育てを経て、3年前にジョインセレモニーに入社。これまでの経験を活かして人事サポートを担当している。現場とはワンクッションおいた第三者的な立場から、異性の社員に言いにくいことなどを聞き取るなど、円滑に業務が行えるようパイプ役になっている。“困ったときは川合さんに相談”と社員の中で言われるほど、いざというときの窓口として頼られる存在だ。
「私はとにかく現場に足を運ぶことを大切にしています。忙しすぎてはいないか、悩みを抱えすぎてはいないかなど、社員の状況をくみ取るためには、現場を知ることが重要だからです。現場の社員はお客様と向き合うことが仕事。私は社員に向き合うことが仕事だと思っています。私は以前社員に対して『なんでも相談して』と声をかけたところ悩みを告白してくれたことがありました。問題を解決してほしいのではなく、ただ知ってほしかったのでしょうね。私は社員の悩みに寄り添うためならすぐに足を運びます。そして、思いつめて退職を考える前に、上司にぜひ頼ってほしい。家庭の事情や体調などはみんな持ちつ持たれつですから。そして上司も、より頼られる存在を目指してほしいですね。」(総務財務部 人事担当 川合智子さん)