やまがた子育て・介護応援いきいき企業
第64回 株式会社丸高

山形県内での従業員数(2018年9月現在)
職員:男性119名 女性19名 (合計138名)

 株式会社丸高は、昭和23年に創業。酒田に本社、仙台と山形に支社、そして庄内営業所を構え、土木事業(橋梁、道路、港湾、治山等)および建築事業(各種福祉施設・民間施設の建築、舗装工事、道路舗装等)を経営基盤として地域の発展に力を注いでいる。
 また地域貢献活動の一貫として、本社脇を流れる河川敷約2kmの清掃を月に1度行う他、小学生を対象とした建設機械の試乗体験(はたらく車 体験見学会)や中学生・高校生を対象とした職場体験、インターンシップの受け入れを行っている。

◎「山形いきいき子育て応援企業」登録・認定について

優秀(ダイヤモンド)企業認定 平成29年11月

◎企業理念

 「幸福創造」
 自助努力の精神が何よりも大切とし、『幸福』は、決して人からもらうものでもどこからか来るものでもない。自らが、自らの知恵と力で創りだしてこそ、より大きな幸せを創っていける。こうした思いの元に、『幸福』の合同概念として『創造』を掲げ、力強くより大きな幸福を、いつも創りだしていこうとする企業精神を掲げています。

◎男女ともに働きやすい職場、仕事と家庭の両立がしやすい職場を目指して

 株式会社丸高では総務部に社員の相談窓口を設けている。社員がお互い気持ちよく仕事ができるように「相手がどう感じるか。」ということにお互いが配慮し、言動や行動に対する意識を高め合いながら、明るい職場づくりを心掛けている。現状幅広い世代間で考え方にギャップがあるのは否めないが、そのためにお互いの考えを理解するための環境づくりが必要だと考えている。
 また、仕事と家庭の両立については、妻の出産に伴う休日取得等、父親の子育て参画を積極的に推進している。
 柔軟な職務分担を行いつつ、平成17年から行動計画を掲げている。その他、社員貸付制度により教育費の面からの援助も制度化しており、利用する社員も多くいる。

◎工事現場での女性起用

 工事現場は、男性中心のイメージがありますが、近年女性の技術者が注目を集めています。行政も積極的に建設業における女性の活躍を推奨しており、以前とは比較にならないくらい現場の作業環境も改善されています。
 今春、弊社でも高校卒の女性技術者を採用しました。今は業務習得に先輩技術者の指導のもと頑張っております。
 「女性だから」という対応はせず、一人の技術者として早く一人前になってもらいたいとの思いで先輩社員も指導に当たっています。
 結婚、出産、子育ては、人生のイベントですが、子育ては夫婦の協力が大切であり父親のかかわり方が大事だと考えています。
 そのために会社も環境を整えていますが、より一層の強化を図っていかなければならないと考えています。

【総務部 総務部長 富樫 光昭さん】

◎女性技術者として現場で働くこと

 後藤瑠華さんは、平成30年4月に入社したばかりの新人現場技術者だ。現在は主に、工事現場での測量作業や写真撮影作業を行っている。
 「働く上で大変だと感じる事は、体力面で男性との差があることです。これは入社する前から不安な点でした。実際に現場で働いてみると、それを実感することも多くあります。それでも入社当初に比べて、任される仕事が少しずつ増えてきました。「女性だから…」という概念が定着しないように、人一倍仕事を頑張り、自ら進んで様々な仕事に取り組む事を日頃から心がけています。今後は、少しでも多くの技術や知識を身に付けるため、たくさんのことに興味や関心を持ちながら仕事に取り組みたいと考えています。また、分からないことは自分から積極的に質問するなど、スキルアップを目指して頑張っていきます。女性技術者は珍しいので、自分が技術者であることに誇りと自覚を持ちながら、これからも日々努力をするよう心がけていきたいです。」

【土木工事部 土木課 技術係 後藤 瑠華さん】

◎女性の平均勤続年数は15年以上。女性にとって働きやすい環境づくりへの配慮

 総務部 経理課の奥山 秀さんは入社25年。現在は経理課の課長として経理全般を担っている。
 「当社のオーナーは、女性ということもあり、女性社員には理解が深いと思います。かねてから社会における女性の役割は、益々重要になってくる。女性だから、男性だからという概念にとらわれず、積極的に発言し、どんどん意見を発信するよう指導されてきました。そのような面で恵まれた環境だったと思います。
 残業は、工期厳守の点では時に必要ですが、時間管理は徹底しています。効率よい仕事をして残業はしないよう会社全体で意識しています。私たち一般職は女性が多いこともあり、家事との両立は大きなテーマです。そのためにも、時間内に業務を終わらせ、家事や育児に割く時間の確保をしっかり行っています。
 大きなストレスを感じていないことが、働きやすい環境だということの表れだと思っています。」

◎ミスをしないのは当たり前。女性管理職の意気込み

 「以前から女性の課長はおりましたので、女性の私が課長になることに対して、私自身の抵抗はありませんでした。もちろん、私でいいのか、務まるのかと心配ではありましたが、夫も建設業に携わっているので理解してくれ、応援してくれました。お金を扱う部署ですので、1円たりともミスをしないのは当たり前、という気合を持って業務にあたっています。大きな現場になると支払額も高額になりますので緊張感も高まりますが、その分やりがいも感じますね。経理は2人しかおりませんので、広範囲に及ぶ業務で毎日大忙しです。目が回りそうになったときでも冷静に、常日頃から経理の視点だけにとらわれず、俯瞰的に自分の仕事を見るように心がけています。現在、私の部下は20代。自分が育ってきた年代の常識とは違うなと感じることはしばしばありますが、自分の常識にだけ囚われていては伝わりませんので、今の世代に考えを合わせながらコミュニケーションを大切に、協力して仕事に取り組んでいます。」(総務部 経理課 課長 奥山 秀さん)

【総務部 経理課 課長 奥山 秀さん】
 
2018年11月1日