管理職:女性4名 男性24名(合計28名)
職員:女性35名 男性52名(合計87名)
山形中央信用組合は、昭和26年に創業。長井市・川西町・小国町・白鷹町・寒河江市・大江町・飯豊町に営業店を8店舗構え、「ちゅうおうしんくみ」の愛称で親しまれている。各種ローン、預金商品などを通じ地域に役立つ金融機関を目指し、業務運営に努めている。
また平成23年から、地域の清掃活動を継続的に実施(平成29年度は10回実施)。さらに、創立60周年を記念して、長井市にゆかりのある児童文学者 角野栄子さんの図書を集めた小さな図書館を全店に設置し、地域密着・親しみやすい店舗づくりに取り組んでいる。
◎「山形いきいき子育て応援企業」登録・認定について
優秀(ダイヤモンド)企業認定 平成29年3月
◎企業理念
【経営理念】
地域とともに歩み、地域の発展に貢献する。
【経営方針】
誠実 感謝 共生 発展
協同組織地域金融機関の存立趣旨に沿い、全ての法令と社会規範を遵守し、誠実かつ謙虚に組合員はじめ地域の皆様の要請に応え、地域との共生に感謝し、地域の発展に貢献するよう努力する。
◎男女ともに働きやすい職場を目指して
「当組合では男女ともに働きやすい職場づくりを目指し、平成27年4月に『元気なひとづくりいきいき人材企業宣言』をいたしました。地域の事業所は、地域の人の雇用の場であり、生活の糧を得る場です。地域の皆様と幸せを実感できる事業所を目指し、そのために必要な「元気なひとづくり」に努めているところです。具体的には、『次世代を担う若者を積極的に雇用する』『年齢・男女の別、ハンディキャップに関わりなく、働く意欲と能力のある人たちの活躍できる雇用機会の創出』『ワークライフバランスの視点に立った働き方』『子供を産み育てやすい雇用環境の整備』を目指しています。こうした取組みを認めていただき、平成29年6月23日に山形労働局より『子育てにやさしい企業』として認定を頂き、『次世代認定マーク(愛称:くるみん)』を取得しました。」
◎男女共、育児休業取得率100%
「職員が仕事と家庭を両立し、子育て中の職員については子育てに関わりながら働きやすい環境を作るべく、行動計画を策定しています。こちらはインターネットなどでも公表しておりますが、全職員に行動計画を配布し、職員全体の共通認識として積極的な活用を促しています。こうした取組みの成果で、私たち山形中央信用組合の職員は、男女共に育児休業取得率は100%。さらに、すべての職員が職場復帰をしています。育児休業も含めると1年半ほど職場をぬけることになるのですが、その間は営業店同士でフォローし合い、復帰後は1ヶ月ほど本部付で引き継ぎをしっかり行い、その上で元の職場へと戻れるようサポート体制にも力を入れています。現在、当組合には20数名の独身男女の職員がいますので、需要が増える今後も、職員同士が支え合い、働きやすい環境づくりに努めていきたいと考えています。
また小学校就学まで、育児短時間勤務の適用も可能ですし、月に1回そしてお盆期間をノー残業デーとして、定時退社を目指し、家族との時間を確保できるよう努めています。」(総務部 部長 小関 孝さん)
◎女性が少なかった部署や管理職での女性起用で、職場全体のリフレッシュ効果も。
「これまで男性ばかりだった渉外係(外回りをする顧客担当者)に女性を登用しています。現在は、渉外係35名中、女性は7名。採用面接の時点で渉外係への配属もあり得るという話をしていて、新人研修の際には男女分け隔てなくバイクの講習も行っています。お客様からは、『女性職員だと特に話しやすく感じる。』『時にはスマホの使い方など若い人ならではの情報も教えてもらえてありがたい。』など、ご好評いただいています。
また社内のミーティングでは、男性では出てこない細やかな意見、女性ならではの発想も多く出され、新しい風が吹いているなと感じています。バイクや自転車での外回りは、悪天候などもあり、特に大変かと思いますが、今後ともキャリアアップの一貫として頑張って欲しいと思っています。 また、平成27年から女性の管理職も登用していて、女性ならではの手法で各セクションをまとめて頂いています。」(総務部 部長 小関 孝さん)
◎セクシュアル・ハラスメントへの取り組み
「セクシュアル・ハラスメント、パワー・ハラスメント対策については、各営業店に1名ずつコンプライアンス担当を配置しています。8店舗中2店は女性です。また3ヶ月に1回はコンプライアンス担当者会議を行い、情報共有にも努めています。」(総務部 部長 小関 孝さん)
◎女性の管理職第1号
女性の管理職第1号に抜擢されたのは、本店営業部 次長の菊地裕美さん。専門学校を卒業後入組し、これまで長井や白鷹の営業店を経て本店で預金担当として業務にあたっている。
「入組して26年目になります。これまで、金融機関は結婚した女性は退職する、というのが通例でしたが、3人の息子がいる今も変わらず働き続けることができているのは、この職場だったからではないかな、と嬉しく思っています。」
管理職になってから、多少職場にいる時間が長くなったということだが、家庭では子どもたちも手がかからなくなっていて、義父、義母のサポートもあるので大きな負担にはなっていないと言う菊地さん。むしろ、これまで前例がなかった女性の管理職第1号ということで、どのような立ち位置にいるべきか戸惑っていたが、県の企画で開かれた女性管理職を目指す研修会に参加したことで、自身のあるべき姿が見えたという。
「管理職という慣れない状況で、どのように他の職員と接していけばいいのかが当初の悩みでした。これまで男性の上司しか見たことがなかったので、女性の管理職のあるべき姿が思い描けなかったのです。でも、女性管理職だけの研修会で意見を交わすうちに、女性ならではの立ち位置が少しずつ見えてきました。自分のやれることを、気張らずにする。みんなを支える立場、みんなが安心して仕事に向かえる環境づくりを影ながら行う、これが私らしい上司像かなと思えたのです。そう思ってからは、職員の働く姿、表情に気を配れるようになりました。特に若い世代は、上の世代と同じ目標設定で頑張っていますので、プレッシャーなど感じていないかな、ちょっと元気がないかなと感じた時は「大丈夫?無理しないでね。」と声がけをしています。母親のような優しさで支えていけたらいいなと思っています。ただ、上司からは『お前はちょっと優しすぎる』と苦言を呈されることもあるので、その塩梅が課題ですね。」
古賀由貴さんは、平成22年5月にパートで入組。その後、正職員転換試験を受けて、平成27年4月から正職員として勤務している。
「パートと正職員の違いで大きかったのは、パートは育児休暇の取得ができないというところでした。主人も私も県外出身で、近くに子育ての応援を頼める身内もいませんでしたので、入組当時は子どもができたら仕事をやめなければならない、と思っていました。そんなとき、正職員転換の話をいただき、迷わず挑戦しました。」
正職員になってからも部署は変わらず、本部推進部で事業計画の作成や、企画、広報を担当している。勤務環境の大きな変化はないが、自身の意識に違いが出てきているようだ。
「私は金融関係で勤めた経験がこれまでなく、周りが忙しそうにしていても、何も手伝えませんでした。加えて『パートさんだから、無理しなくていいんだよ。』と逆に気を使っていただくばかりの自分に、歯がゆさを覚えていました。正職員になった今は、少しでも知識を得ようと、前向きにキャリアアップを目指せるようになりました。現在は主に、お客様への商品案内チラシなどの作成を行っているのですが、顧客担当から“お客様に渡した時の反応がいいよ。話のきっかけになったし、契約にもつながったよ”などの声があり、間接的にでも売上アップに繋がるお手伝いができているんだ!と、やりがいを感じています。」
また正職員になったことで、チャレンジできる仕事の幅が増えたとも感じている。
「例えば、これまで事業計画を作る際は、一部分だけを手伝っていた程度でしたが、今は計画を練る段階から携わることができています。まだまだ周りの人ができていることで、自分ができないことはたくさんあります。今後は、今自分に足りない知識を得られるよう、積極的に仕事に取り組んで、自分の自信に繋げていきたいと思います。今は顧客担当ではないので、時間の調整がしやすく、家庭との両立が負担なくできています。さらにやりがいまで感じることができていて、正職員へのステップアップに挑戦してよかったと思っています。」