やまがた子育て・介護応援いきいき企業
第40回 株式会社山本製作所

従業員数 335名 (女性49名 男性286名)平成26年10月現在

◎「山形いきいき子育て応援企業」登録について

実践(ゴールド)企業登録  平成26年9月

<山本製作所の経営理念>
人をつくり、商品をつくり、豊かさをつくる。企業は人なり、人が中心となって、よい商品・サービスが生まれる。よい商品・サービスは、社会に豊かさと満足を提供でき、私達も豊かさが得られる。そのためにも私達は仕事を通じ、日々成長しなければならない。

<山本製作所の社是>
一、  創造経営でお客様に満足していただける製品(ソフト、サービス、商品)を提供し、社会に貢献します。(お客様に対する責任)
一、 誠実をもって信頼の輪を広げ、企業文化づくりに努めます。(社会に対する責任)
一、 創意を活かし能力の向上、開発に努め、豊かな職業人となります。(社員に対する責任)

「社員が働くことができるのも、家族の理解と協力があってこそ。その家族も、地域との繋がりや支えがあってこそ成り立つのだと思っています。だからこそ、会社は、その全てを大切にする必要があると考えています。」経営企画部、総務・人事兼広報グループのグループリーダー石川慎太郎さん。

「以前は、結婚や出産を理由に辞める方も多かったのですが、会社全体で育児休業などを推進するようになった結果、今では育児休業後の復職は当たり前、という雰囲気ができあがりました。」結婚、出産、子育てを山本製作所に勤めながら経験してきた、経営企画部、総務・人事兼広報グループの角川千佳さん。

<社長が模範となって「家庭人」を実践>
 会社の中期計画のなかの「社員の生活ビジョン」という項目に、「家庭人」、「地域人」というキーワードがある。これは、仕事と家庭、そして地域活動の両立を目指そうという会社の指針を表すものである。事実、社長自らが子どもの行事に積極的に参加する「家庭人」としての姿は、社員全員の模範となっている。経営者が率先して取り組むことで、会社全体にワーク・ライフ・バランスの充実を図ろうという意識が根づいている。

<家族の理解と協力を仰ぐために>
 子どもにとって、自分のお父さん、お母さんが、どのような会社で、どのような仕事をしているのか、父母の会社での姿を知ることは、家族の理解や協力を仰ぐうえでとても大切なことである、と考える山本製作所では、家族と会社の距離を近づけることにも工夫している。
 そのひとつに、新入社員を対象とした「新入社員の父兄参観」を毎年実施。入社3カ月目に、新入社員研修を経て成長した姿を見てもらうとともに、新入社員本人から親御さんに対し会社のことを説明してもらっている。
 また、2013年には、創業95周年を記念した大規模イベントも開催した。家族を対象とした会社見学会の後に、社員も交えてのビアパーティを行った。総勢300名近い参加があり、多いに盛り上がったという。社員と家族のイベントでは、今年の5月、200名を超える参加者で北海道への研修旅行にも出かけている。
 家族の人に会社への理解を深めてもらうのと同時に、社員も家族のために頑張ろうと再認識するいい機会になっているという。

新入社員を対象とした「新入社員の父兄参観」
2013年には、創業95周年を記念したビアパーティを開催

<ブランドプロジェクトも発足>
 4年後に控えた創業100周年に向けて、社内に「ブランドプロジェクト」を発足させた。企業価値を高めるために多岐にわたる活動を行っているが、そのなかには、女性ならではの目線やアイデアを生かすべく女性チームも組織されている。美化活動や清掃活動のみにとどまらず、就業規則などの検討にも参加しているという。

◎「仕事と生活の両立支援」における取組み

<2名の男性社員が育児休暇を取得>
 昨年の8月、初めて男性社員が育児休業を取得した。2人目のお子さんの誕生間もなくというタイミングで、9日間の休業だった。そして、2人目の男性育児休業者が、この8月にお盆休みも含めて20日間の休業を取得した金子さんである。初めのお子さんで生後2カ月という時期だった。
 育児休業取得者の業務分担については、短い期間の休業であれば、チーム内の在籍している人間でカバーしている。それはどの職種でも同様であり、職種によって取りやすい、取りにくいという違いはない。「“チーム力”が自慢ですので、仕事の段取りさえできれば、繁忙期であっても、本人の希望通り、時期を問わず休んでいただけますし、会社もカバーできる体制を取っています。」と総務・人事兼広報グループのグループリーダー石川さんは話す。なお、長期の育児休業は、部署内で検討後、代替職員を雇用するなどし、カバーしている。

 「休んで良かったです。奥さんからも感謝されました。休んだことで、子育ての大変さが改めて実感できましたので、育児休業復帰後の今もできる限り、子育てに参加しています。もし育児休業を取っていなかったら、今、ここまで育児に参加していたかは正直分かりません。私が休めたのも、会社、特に同僚の理解があってこそだと思っていますので、不在をカバーしてくれたみんなには感謝です。できれば、男性も育児休業を取るべきだと思います」。経営企画部の情報グループ、金子裕昭さん。

<休業後の復帰のしやすさ>
 女性の育児休業は、10年ほど前から取得者がいる。ちょうど社会的にも気運の高まりを見せていた時期であり、その流れを捉えたという格好だ。育児休業から復帰して元の職場に戻る、このサイクルはしっかり実践され、女性社員は出産を理由に退職することなく、全員が休業後に職場復帰している。
 復帰を手助けする施策として、短時間勤務制度を設けているが、その対象を「子どもが小学校就学に達するまで」としている。これは法定で定められている「3才まで」の基準を大きく超えるものだ。
 また、育児休業者には社内報を届けるなど、月に一度は会社の近況を伝えている。「産休で職場を離れた際に、少し不安になったので、さらに期間の長い育休を取得している方はますます不安だろうと思います」という角川さんの経験も反映されている。なお、社内報の誌面ではお子さんの誕生報告や、育児休業から復帰した社員の経験談や感想なども掲載、育児休業の制度の周知とともに、取得への啓蒙も行っている。

◎「男女ともに働きやすい職場づくり」における取り組み

<有給休暇は分単位で取得可能>
 分単位で取得できる有給休暇制度を実施している。子どもの病気など予定外の事態への対応が、よりスムーズに行えると好評である。さらには、会社側が社員一人ひとりの事情に合わせて、休暇取得を促すアナウンスも行っている。子どもの入学式や卒業式、地域行事へはできるだけ参加してほしいという社長の考えに基づくもので、「子どもの学校行事や地域行事へ参加したいが、なかなか言い出せない」、そんな空気を払拭している。これらの取組みにより、有給休暇の取得率は平成20年は19.11%だったものが、平成25年には31.53%まで向上している。

◎「県民の子育て支援・若者応援・地域貢献」における取組み

<毎年、継続的に受け入れ>
 地元の学校を中心に、会社見学やインターンシップの受け入れを、毎年継続的に行っている。

 
2014年11月4日