女性382名 男性1,273名 (合計1,655名)
◎どんな会社か
1985年創業、セイコーエプソングループにおける国内最大規模の製造開発拠点として、カラーインクジェットプリンターの心臓部「インクジェットヘッド」やエプソン製ロボットの機能を向上させるコアパーツ等の商品を製造。また、ウオッチ分野で培った高度な超微細、精密加工技術がテクノロジーのベースとなり、「省・小・精の技術」を駆使し、エプソングループ半導体事業の主力工場として、世界市場へ最先端の半導体製品(IC)を供給している。
◎「やまがた子育て・介護応援いきいき企業」認定について
優秀(ダイヤモンド)企業認定 令和元年9月(第1期目)
◎企業理念
お客様を大切に、地球を友に、
個性を尊重し、総合力を発揮して
世界の人々に信頼され、社会とともに発展する
開かれた、なくてはならない会社でありたい。
そして社員が自信を持ち、
常に創造し挑戦していることを誇りとしたい。
◎誰もが働きやすく制度を取得しやすい職場環境
東北エプソンでは、仕事と生活の両立できる環境づくりを推進していて、女性の育児休暇取得率は100%、平均勤続年数は、男性が20年弱、女性は21年と長い。
「経営理念に“個性を尊重”とあるように、ダイバーシティとして、誰もが活躍できる労働環境づくりを以前から進めている。誰もが働きやすい環境であることが、女性活躍やSDGs(持続可能な開発目標)への貢献に繋がっている。」と池田伸部長は語る。
◎仕事と生活の両立できる環境づくり
女性の育児休暇取得率は100%で、復帰後は元の部署に戻ることができる。性別問わず、育児、介護休業、短時間勤務制度などを利用するのは、会社の基本理念、上司の意識・姿勢や周りのサポート等の取得しやすい雰囲気が職場環境にあるからだ。また、健やか休暇といって、前々年度以前の積立年休(最大60日)を医療目的の休暇として取得が可能で、家族介護や育児にも使用することができ、半日単位の取得も可能となっている。また、年5日、個人のライフスタイルに合わせ、連続休暇を取得できる。社員全員が連続休暇を取得し、お互いの業務をサポートし合う体制や風土が、会社全体にある。家族との時間をしっかり持つなど心身ともに休ませ、その結果仕事の時間はしっかりと集中することができる。
製造部門では、女性管理職として課長1名、作業長1名、担任6名がいる。それぞれが目の前の仕事に一生懸命取り組み、期待に応え、責任を果たしていくことで、リーダーとしての役割も担うことになった。自然体でいきいきと活躍する女性管理職のロールモデルが増えている。
2019年度に、「子育てサポート企業」としてくるみん認定を取得。定時退社についての構内放送での呼び掛けや、8月8日を「パパははの日」として子どもの職場参観を行うなど、幅広く施策を実施している。
◎社員の自発的なボランティア活動
これまで地域貢献活動として、会社周辺のゴミ拾いを行っていた。2011年の東日本大震災で福島のグループ関係会社が被災し、129名を東北エプソンで受け入れたことがきっかけで、労働組合が主体となり、早朝に集合しバスで向かい、がれきの片付け等行うなど被災地にてボランティア活動を行った。社員らが自発的に動き、会社は後押し、支援をした形だ。
入社22年の佐藤亜紀課長は、プリンター部品の合理化・新製品量産技術確立等、技術の業務をしている。課のメンバー20名が担当している部品は、200以上の種類があり、専門知識を持ったスタッフが特殊な加工や工程をこなし、新製品の技術開発も行っている。課のメンバーが効率よく仕事ができ課題解決ができるよう、サポートを行ない、佐藤課長は人材育成も担っている。
◎仕事と家庭の両立は、感謝の気持ちとOn、Offをはっきり
仕事と家庭を両立させるのは、大変なことではあるが、家族の助けがありこなせている。日ごろから感謝の気持ちを口に出すように心がけ、休日にまとめて家事をするなどの工夫もしている。また、5日間しっかり休める制度があるので、旅行へ行くなど、OnとOffをしっかり切り替えることも大切だ。
子育てが少し一段落した今感じるのは「子育ては大変だったけど、とても有意義で、その後の仕事にも大きく役立った」ということ。
「家族団らんや育児の経験は人生における貴重な時間なので、仕事のせいでこれらの時間を犠牲にしたと、後から後悔しないようにしてもらいたい。これから子育てに入る方に対して、ぜひ育児休暇を取得してもらいたいと考えています。」
◎これからのために今できること
日々の業務を振り返ることが、次への原動力となっている。これからの時代は、遠隔管理やインターネットを利用したテクノロジーが進み、今よりも多様な働き方となることが想定される。どのような働き方であっても、個人の能力や強みを伸ばすことが必要なので、能力開発や経験値の積み上げ、社会性や倫理観を仕事を通じて養えるようにしていきたいと考える。
◎女性管理職、役職を目指す後輩へのメッセージ
「常に何かを学び続けること、何かに挑戦し続けること。この二つが人を成長させるのだと思います。簡単にできる学びは読書です。最近は本を読む人が減ったような気がしますが、自分の視野や知識を広げるのに読書はとても効率が良いので、お勧めします。」
◎育児短時間勤務制度を利用
小林祥さんは、勤続19年で、プロセスエンジニアのサポート業務をしている。1人目の育児休暇明けに始業時間を30分遅らせる形で、約1年間利用した。今回は2回目の利用で、3人目の子どもの1年の育児休暇明けに、終業時間を1時間早める形で利用している。
利用のきっかけは、3人目の子育てということで、無理せず仕事をスタートさせたいと考えたためだ。妊娠がわかった段階で短時間勤務の利用を考え、夫とも気持ちを共有した。
◎育児短時間勤務の良かった点
家庭では、家事の分担ははっきりと決めていないものの、出来る方がやるというスタイルで夫と協力しながら家事育児を行っているが、小林さんが1時間早く帰れることで、帰宅から就寝までの時間にゆとりを持てるようになった。夕飯を早く出せるので、その後のお風呂の時間に余裕ができる。
「出来る限り、推奨されている就寝時間までに子どもを寝かせてあげたいので、1時間早く帰ることができるのは、本当に助かります。また、職場では制度の利用を当たり前に受け入れてもらえているので感謝しています。」
また、切りの良いところまで仕事をしようと思い、終業時間を過ぎてしまった時には、職場のメンバーが「時間になっているよ」と声掛けをしてくれるなど、周りの方の優しさもうれしい。
◎これから結婚、出産、子育て期を迎えるであろう後輩へのメッセージ
「育児休暇も短時間勤務も制度はしっかり整っていますし、取得中の内容変更も認められています。利用してみたいけど迷っている、そんな時はまずは制度を利用してみるのもいいと思います。生活のリズムをつかめて、短時間勤務をやめても大丈夫と思えたら利用を取り消しすればよいのです。私も一人目の時には途中で利用を取り消しました。また、早めに切り上げるつもりだったのに、今の私のように制度の上限まで使い続けるのも問題ないと思います。
実際に生活してみないとわからないことが沢山あります。ひとくくりに自分の“子ども”といっても、手のかかり方はそれぞれで全然違いました。『前回はこうだったから。』が通用しません。家庭においてお母さんが笑顔でいることの大切さは本当に痛感しています。短時間勤務で心に余裕が持てて、その笑顔が得られるなら、これほど利用価値のある制度はないと思います。」