やまがた子育て・介護応援いきいき企業
第46回 社会福祉法人 友愛会

従業員数
女性 161名 男性 81名(2015年8月31日現在)
※写真は特別養護老人ホーム みはらしの丘

◎「山形いきいき子育て応援企業」登録について

実践(ゴールド)企業登録 平成27年7月31日

◎経営理念

◎空気の澄んだ見晴らしの良い場所に楽園はありました

ハートがふたつ重なって、人と人との輪や繋がりをイメージするような優しいピンクのロゴ。そういえば、このロゴを掲げた車をよく街で見かける。
 山形市内に5施設、南陽市に1施設ある『友愛会』は、障がい者施設や高齢者介護施設を運営する社会福祉法人である。障がい者施設の「すげさわの丘」、「南陽の里」、特別養護老人ホーム「みはらしの丘」、天然温泉老人デイサービスセンター「くろさわ」、デイサービスとショートステイが可能な「天然温泉 湯の郷くろさわ」があり、いずれの施設も空気の澄んだ見晴らしの良い場所で、入居者もスタッフも明るくそして懸命に日々の生活を過ごしている。

◎「ともいき」精神で活躍する明るいスタッフ

 経営理念に掲げる「ともいき」。その「ともいき」とは、お互いに個性も趣味も考え方も違うひとりの人間として「個」が輝く生活を実現させ「ともに生きる」という理念だという。この理念を根底に、利用者の生活や生き方を懸命に支えるスタッフたちの高い志なくして、施設運営は成り立たない。友愛会の最も重要な経営資源は「人」であり、そのために働きやすい職場環境づくりにも積極的に働き続けている。

◎仕事と子育てを両立しながら活躍する女性スタッフ

 『友愛会』に入職して現在4年目の後藤さんは、特別養護老人ホーム「みはらしの丘」で介護スタッフとして働き、その主な仕事の内容は、入居者の方々の食事の介助や排泄等の身の回りのお手伝いや、リネン交換、居室整備など。この仕事を選んだ理由を訊ねると、高校の授業をきっかけに福祉大学へ進学し、迷うことなく介護の道を選んだという。現在、後藤さんは1歳になる娘さんを育て、かつ7ヶ月になる妊婦さんでもあり、まさに仕事と子育てを上手く両立しながら元気に働くスタッフである。1人目の出産後も1年間の育児休業を取得し職場へ復帰、現在は早番、日勤、遅番のシフトで勤務している。「1年間のブランクがあると入居者の方も変わっていたりして、不安もありました。上司や先輩方に色々と教えてもらいながらサポートしていただき、とても助かりました」と復帰当時を話してくれた。また、友愛会では「子の看護休暇」として子が1人の場合は年間5日、2人以上の場合は年間10日を限度として取得可能とし、さらに「育児・介護のための時間外労働時間の制限」や深夜勤務となる午後10時から午前5時までの間の「深夜残業の制限」を定めている。「時間単位の有給休暇も導入されており、子供が体調不良のときなどとても助かっています。仕事と子育ての両立は、職場の皆さんや夫の協力があってこそだと思います。そんな恵まれた環境に感謝しながら、これからも優しい心で入居者の方々をサポートしていきたいですね」

【介護スタッフ 後藤 千仁さん(特別養護老人ホーム「みはらしの丘」勤務)】

◎役職者として活躍する女性スタッフ

 明るく優しさ溢れる笑顔が印象的な『友愛会』の介護部門のトップ、係長を務める中村さんは勤続23年のベテラン。この道を選んだ理由について訊ねると「保育士になるのが夢でした。保育士として働くうちに障がい児のお世話をしたいという思いから職場経験を経て、友愛会で障がい者の施設を開所するということで『障がい者施設 すげさわの丘』に勤め始めました。ここで障がい者の方々のお世話をして20年、現在は特別養護老人ホーム勤務となり、おじいちゃんやおばあちゃんたちのお世話は初めての経験で試行錯誤しながらの懸命だった日々を思い出します」と語る。

 現在、部下には女性スタッフも多い中村さんだが、彼女もまた子育て経験者。「出産して子育てをして、社会に復帰したのは下の子が3歳のとき、同居する義理の父と母には、食事の支度など大変協力してもらいました。夫婦ともに変則勤務で夜勤もある仕事でしたので、家族の協力は本当に有り難いです」。仕事と家庭のバランスを上手くコントロールしながら働く経験豊富な中村さんは、部下からも頼れる存在だ。共に働く部下に対して「一人ひとりのメンタル部分に気を配りながら、声かけや話し合いを心がけています。子育て中で大変なスタッフには、自分の経験を踏まえながら融通が利くように他のスタッフがカバーできるようにするなど、少しでも働きやすい環境をつくるようにしています」と話す。

 「私たちは、入居者の方々が過ごしやすいよう、施設の中でも入居者それぞれのご家庭と同じように生活していけるように心がけています。それには、ここで一緒に働くスタッフの心も生き生きと健康でなければいけないですね」

【介護係長 中村 晃恵さん(特別養護老人ホーム「みはらしの丘」勤務)】

◎役職者として活躍する女性スタッフ

 約50名のスタッフを束ねる佐藤さんは『天然温泉 湯の郷 くろさわ』、『天然温泉老人デイサービスセンターくろさわ』、『居宅介護支援事業所 くろさわ』のセンター長兼居宅支援事業所の管理者。現在の仕事を選んだ理由について「幼児保育の経験を経て、高齢者介護の道へと進みました。子供が大きくなるにつれ、自分の歳のとり方を見つめ直したい。そんな思いがきっかけでした」と語る。現在はケアマネージャーとして、住み慣れた自分の家で生活が維持できるようにプランニングをする仕事を主としている。

 多くのスタッフの上司として心がけていることについて「きちんと、挨拶ができることが大切です。同じ“おはよう”でも、元気のある“おはよう”なのか、元気のない“おはよう”なのかで違います。本当に悩んでいるときは、こちらから「何かあったの?」と声をかけても、案外言葉は出てこないものです。挨拶や何気ない言葉で気づくインスピレーション、その時の直感を大切にしながらスタッフを見守っていますね」チームワークも重要だという対人援助という仕事、スタッフのメンタルも大切にしている。

【センター長兼管理者 佐藤 百合子さん(主任介護専門員)】

◎正職員転換制度でスタッフへ

 『友愛会』では、職員への登用希望がある准職員が職員になることができる「正職員転換制度(当法人:職員登用)」を設けている。一定の条件を満たし、筆記試験や作文、面接が必要となる。現在『障がい者支援施設 すげさわの丘』で生活支援員として勤務する金子さんも、この制度を利用し准職員から正職員となったひとり。金子さんは、新卒採用の正職員としてこの施設で17年間働き、一度退職。後に准職員として復帰し、再び正職員となり2年目である。

 17年間勤め、更なる向上心で転職し、現在の仕事が天職だと気づいた金子さんは再び『友愛会』へ。ここへの復職のきっかけは、‘利用者の方々との会話の楽しさ’にあったという。「今、私が担当させていただいている方は会話ができない方です。言葉で表現ができなくとも、表情で伝えたいことを返してくれます。どのように支援をしたらその方の別な一面を知ることができるのかなと、そんなところに仕事のやりがいを感じています」と笑顔で話す。

 『友愛会』では、一度離職した人が、数年後、復職することも多いという。職員にとって働きやすい環境づくりがなされている証拠である。

【生活支援員  金子 千恵さん(障がい者施設「すげさわの丘」勤務)】

◎質の高い福祉サービスを目指して

 栄養士として入職後、平成24年より『友愛会』の本部事務局でリーダーとして働く傍ら、現在も栄養士を兼務し、活躍する寒河江さん。グループ施設全てを把握して、様々な情報を発信し、職員が働きやすい環境をつくるため積極的に行動する部署である。「知人と話をしたとき、仕事を辞めるきっかけの一つに休みが取れない、取りにくいということがあると知りました。そこで、数人の職員に話を聞いてみると自分たちの職場は子育てがしやすく、働きやすいという答えが返ってきたとき、やはり‘長く働くことができる職場環境づくり’が大切なんだなと改めて感じました。個人的な意見になりますが、働くことと子育ては繋がらなければならないと考えています。魅力的な職場づくりのため、利用できる様々な制度等を上司に伝えることも私の大切な役目だと思っています」と話す。

 実践(ゴールド)企業の認定を受け、さらなる目標について訊ねると「認定を受けてから、職員のみなさんから育休の取り方や各種手当、研修制度などについて気軽に声をかけえて貰えるようになりました。今回の認定を機に各施設への周知の徹底を図り、これからは、男性職員の育児休業取得も目指していきたいですね」と話す。

【本部事務局リーダー兼栄養士  寒河江 貴子さん】
 
2015年11月2日